街並と天空   

『 夢と夢をつなぐこと・・・ 』

 それが私達のモットーです。 ~トータルプラン長山の仲介~ 

    

【地球】と【地震】 マグニチュードや震度、地震波の伝わり方などについて

地球


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  【1】 地球の内部構造と地震発生のメカニズム
   ① 地球の内部構造

    地球の内部構造は、下図のように・・・地表面から地球のほぼ中心部までの深さが約6,370㎞ぐらい・・・「地殻」と呼ばれる部分が、深さ約5~約60㎞ぐらい、「マントル」と呼ばれる部分が、「上部マントル」と「下部マントル」の2層で構成され・・・その深さは、地殻部分の一部を含み約2,900㎞ぐらい、地球の「核」と呼ばれる部分も、「外核」と「内核」の2層で構成され・・・外核部分が、深さ約2,900~約5,100㎞ぐらい、内核部分が、深さ約5,100㎞~地球の中心部の約6,370㎞ぐらい・・・と考えられています。

地球の内部構造イメージ


   ・・・このうち「地殻」と「上部マントル」の地殻に近い部分(≒境界面周辺)が、硬い板状の岩盤となっていて・・・これを「プレート」と呼びます。
   ・・・地球の表面部分は、この硬いプレート“十数枚”によって覆われ、地殻と上部マントルの一部で構成されていると考えられるのです。


   ② 地震発生のメカニズム
    プレートは、地球内部で対流しているマントルの上に乗っています。そのため、それぞれのプレートは、ごくわずかですが・・・年に数㎝ずつ動いています。そして、プレート同士がぶつかったり、すれ違ったり、片方のプレートがもう一方のプレート下に沈み込んだりしています。 ⇔ これは《プレートテクトニクス》と云うもので説明されています。

プレートの動き(太平洋)イメージ


    ・・・このプレート同士が接触している部分では、常に“強い力”が働いています。・・・地殻や硬い岩盤にこれらの力がかかり続け、それに耐えられなくなった限界点(それぞれの許容応力度)を超えたときに、「地震が起きる」と考えられているのです。

   ③ 地震が発生しやすいところ
    世界中の地震発生箇所(下図の赤いポイント)の分布を視ると・・・地震が発生している箇所と発生していない箇所が鮮明となってきます。

世界の地震発生箇所分布イメージ


    ・・・地震が多く発生している箇所(ほとんど赤いラインに見える所など)が、別々のプレート同士で接触している部分(プレート境界)と考えられているところです。
    尚、上の図でも分かるようように・・・地球上の全ての地震がプレート境界だけで起こっている訳ではありません。・・・ハワイ諸島や中国大陸内陸部、南極大陸内陸部などで発生している地震のように、プレート内部で発生する場合もあります。


   ④ 日本列島周辺で地震が発生するところ

日本列島周辺のプレートとその動きイメージ


    日本列島周辺では・・・上図のように・・・海側のプレートである「太平洋プレート」と「フィリピン海プレート」が、陸側プレートの「北米プレート」と「ユーラシアプレート」の方へ・・・それぞれ年あたり約8㎝程度、約3~5㎝程度の速度で動いており・・・「海溝」や「トラフ」と呼ばれる箇所から・・・陸側プレート下部に沈み込んでいます。このため、日本周辺では複数のプレートの動きによって“複雑な力”がかかるため、世界有数の地震多発地帯となっているのです。
    ・・・下図は、1960年から2011年にかけての日本付近で発生した地震分布図です。
(一番大きく見える赤丸が、「東北地方太平洋沖地震」)

日本列島周辺の地震分布図(1960年~2011年)イメージ


   ⑤ プレート境界型(海溝型)地震と直下型(プレート内陸型・断層型)地震
    実際に我々の暮らしに影響を及ぼす地震には、大別して「プレート境界型(海溝型)」と「直下型(プレート内陸型・断層型)」があります。

日本列島周辺で発生した地震イメージ


    上図内①のように・・・日本周辺では、海側プレートが沈み込むときに陸側プレートをより地下深くに引きずり込んでゆきます。・・・陸側プレートが、その“引きずり力”に耐えられなくなって、跳ね上げられるようにして起こるのが・・・「プレート境界型(海溝型)地震」です。
    ・・・この際には、震源が地中深くにあるため、揺れは広範囲に及ぶことが多く・・・震源域が海だった場合には、海底の振動が直上の海水面を上下させて・・・「津波」を発生させることもあります。陸地から、この震源が遠かったり、深かったりすると、人が感じる小さな揺れであっても、予想外に大きな津波が押し寄せることがあります。また、湾の形状や海底地形などの状況によっても、津波の高さや速度(振幅)などが変わるため、海岸付近の沿岸部では、特に高所への避難が重要となります。


    ・・・過去の地震例としては、南海地震、東南海地震、平成15年(2003年)十勝沖地震
                                       平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 ← 東日本大震災のことです。

    上図内②、③のように・・・プレート内部に“力”が加わって、結果として発生する地震が、「直下型(プレート内陸型・断層型)地震」と呼ばれるものです。
    ・・・これには2タイプあり・・・沈み込むプレート側の内部で起こる地震(②)と・・・逆に、陸側プレート内部の浅い部分で起こる地震(陸域の浅い地震・③) があります。
    ・・・プレート同士が押し付け合ったり、引っ張り合うことで、地殻のプレート内部に歪み(ひずみ)のエネルギーが溜まって・・・岩盤の耐力上一番弱い部分がずれたり、滑ることによって地震が発生します。


    この“ずれたり、滑りやすい箇所・部分”で・・・新たに出現したものを「断層」と呼びます。・・・さらには、かつて動いた形跡のある断層で、今後も繰り返し動きそうなものを「活断層」と呼びます。(狭義では、地質学的に云う・・・第四紀中[260万年前~それ以後]に活動した証拠のある断層全てを「活断層」と呼ぶことがあります。)
    現在、日本では2,000箇所以上の「活断層」が視つかっていますが、そもそも地中内に隠れており、地表面に表れていない・・・都市の発展過程で隠されてしまっている、未発見の「断層」が数多くあると云われています。・・・国の研究機関や大学などで、「活断層」に関する各種の調査が行われているところです。(下図は、国土地理院作成:2014年11月時点「都市圏活断層図」)

国土地理院作成:2014年11月時点「都市圏活断層図」イメージ


   ※「活断層」の特徴
    Ⅰ.ほぼ一定の期間をおいて、繰り返し動く
・・・活断層は、普段・・・というか、通常はじっとして、おとなしくしています(断層面が固着している状態)が、断層面を挟む両側の岩盤には・・・常に大きな力(歪み)がかかっています。この歪みが限界に至ったときに、岩盤が破壊され、断層に沿って・・・その両側が互いに反対方向にずれ動きます。この動きによって地震が発生し、結果歪みが解消されます。・・・その後・・・活断層は、次に来る歪みの限界までの長い期間動きを止めています。
     Ⅱ.いつも同じ向きに動く・・・活断層にかかる力(歪み)は、もともとプレート運動によるもので・・・その動きの向きや速さは長期的には変化しません。このため活断層の活動は、基本的に同じ動きを繰り返します。活断層周辺の地形は、このように繰り返された動きの累積により形成されたものであるので、そこの地形を視ることで活断層の動きの特徴を把握することが可能であると云います。
     Ⅲ.動く際の速さは、断層ごとに大きく異なる・・・活断層が1回動くことによって生じる“ずれ”が、仮に数mであっても・・・その活動が繰り返されることによる“ずれの(総)量”は、累積して次第に増加していきます。・・・この増加していく速さ(平均変位速度)は、個々の断層によって大きな差があります。この「平均変位速度」は、長期的に視た場合の平均的な“ずれの量”を速度で示したもので、通常は1,000年あたりの“ずれの量”で表します。これにより、その活断層の活動具合(度)が解るのです。
     Ⅳ.活動間隔が極めて長い・・・日本では、たびたび直下型の大地震に見舞われるために、活断層が頻繁に動く印象を持ちますが・・・これは、そもそも日本の活断層の総数が多いためであり・・・実のところ、1つの活断層による大地震の発生間隔が、1,000年から数万年と極めて長いと云う特徴を持っています。・・・「プレート境界型(海溝型)地震」の発生間隔と比べてみても、活断層による地震の方が、ずっと長い間隔となっています。
      例えば、南海トラフを震源とする地震の発生間隔は約100年程度と視られ、これまでに何回も巨大地震(南海地震や東南海地震)を繰り返しています。
     Ⅴ.距離の長い断層ほど大地震を起こす・・・断層の長さが、長ければ長いほど、より大きな地震を起こす可能性があります。これまでの日本における「直下型(プレート内陸型・断層型)地震」では、M7級(M:マグニチュード・・・後述します)の地震で、その長さが20㎞程度・・・M8級の地震では、 その長さが80㎞程度の範囲に亘って地表の“ずれ(地表地震断層と云う)”が確認できると云います。
   ※「活断層」のタイプ
    「活断層」は、その断層のずれ方、動き方によって・・・下図のように大きく3つのタイプ・・・「逆断層型」、「正断層型」、「横ずれ断層型」があります。


「活断層」の3タイプイメージ


     「逆断層型」・・・傾斜して断層面に沿って上盤(断層境界面より上側の地盤)が、ずり上がったもの。
     「正断層型」・・・傾斜して断層面に沿って上盤(断層境界面より上側の地盤)が、ずり下がったもの。
     「横ずれ断層型」・・・相対的な水平方向の変位で、断層線に向かって手前側に立った際に、向かい側(反対側)の地塊が左、あるいは右にずれたもの。・・・「左」の場合を「左横ずれ断層」、「右」の場合を「右横ずれ断層」と云います。

     また、地表近くの地層が軟らかい場合など、活断層の“ずれ”が地表面まで到達せず・・・断層運動による変位が、その軟らかい地層内で拡散してしまう場合があります。・・・この際には、ある程度の幅をもった“撓み(たわみ)”として出現します。これを「活撓曲(かつとうきょく)」と呼びます。
     「活撓曲」は、地下に断層面が隠れていますので・・・云わば、中途半端に引っ掛かったような状態なので・・・通常の活断層と同様に、地震による被害を発生させると考えられています。
・・・ちなみに、地層が波状に変形することを「しゅう曲(きょく)」と云い・・・活断層同様、現在も変形し続けているものを、特に「活しゅう曲」と呼びます。このうち、凸状にしゅう曲したものを「背斜(はいしゃ)」、凹状にしゅう曲したものを「向斜(こうしゃ)」と呼びます。

    ・・・過去の・・・直下型(プレート内陸型・断層型)地震例として・・・沈み込むプレート側の内部で起こる地震(②)では・・・昭和三陸沖地震、平成5年(1993年)釧路沖地震、平成6年(1994年)北海道東方沖地震があります。
            ・・・陸側プレート内部の浅い部分で起こる地震(陸域の浅い地震・③)では・・・平成7年(1995年)兵庫県南部地震 ← 阪神・淡路大震災のことです。
                                                                平成16年(2004年)新潟県中越地震
                                                                平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震
                                                                平成23年(2011年)長野県・新潟県県境付近の地震 があります。

    ・・・尚、陸側プレート内部の浅い部分で起こる地震(陸域の浅い地震)は、プレート境界型(海溝型)地震と比べ・・・
    地震エネルギーそのものの規模は小さい場合が多いのですが、震源(断層)の地下深度が比較的浅く、地表面での揺れそのものが大きくなるため、人の活動範囲や環境に大きな被害をもたらすことがあります。



  【2】 マグニチュードと震度の違い
    実際に地震が起きるとすぐ、ニュース速報が流れますが、必ず「マグニチュード」と「震度」の2つが発表されていることは皆さんご存じだと思います。
    「震度」は各地で異なる数値が発表されますが・・・「マグニチュード」は、直後の解析による訂正など無かった場合には、必ず1つの数値です。

    「マグニチュード(M)」は、地震の規模や大きさ、エネルギー力(量)を示す値で、「震度」は、地震による、ある地点の地面の揺れの強さを表す単位です。
    「震度」は、地震の規模や震源からの距離、地盤の状況などによって変わってきますが、「マグニチュード」の値は、それぞれの地震につき1つなので・・・仮に「マグニチュード」が大きな地震でも、震源から離れれば離れるほど、その「震度」は小さくなる傾向があります。・・・が反対に、エネルギー力(量)の小さな地震でも、震源が浅かったり近かったりすると、地面は強く揺れるのです。
    ・・・要するに、「マグニチュード」と「震度」は必ずしも比例関係にないと云う事なのです。
    ・・・これを、電気照明に例えると解りやすいのですが・・・その電球が放つ“明るさ=能力(ワット)”が100Wであっても、その電球から遠く離れたり、中間でブラインドなどで遮られたりすると、我々が感じる“明るさ=照度(ルクス)”が変わるのと同じ事なのです。この場合は、「マグニチュード」がワット、「震度」がルクスに相当しています。
    また、「マグニチュード(M)」の値が“1”大きくなると、地震のエネルギー力(量)は、実に“約32倍”となると云われます。・・・マグニチュード(M)6クラスの地震からすると、M7クラスが“約32倍”のエネルギー力(量)となり、M8クラスが、単純計算で・・・約32×約32・・・“約1,024倍”のエネルギー力(量)を持つこととなります。・・・1995年に阪神・淡路大震災を引き起こした「兵庫県南部地震」は、M7.3でした。・・・2011年に東日本大震災を引き起こした「東北地方太平洋沖地震」は、これまでの日本観測史上最大のM9.0・・・いかに大きなエネルギー力(量)であったのか想像できるかと思います。・・・しかし、我々の“地球”という惑星自体が“生きている”と考えれば・・・“クシャミ”や“シャックリ”を引き起こしただけのことかもしれませんが・・・。

    さて、我々の暮らしに影響を及ぼす地震の「震度」についてですが・・・より詳細な解説が気象庁より発表されておりますので、ここでご紹介したいと思います。(以下、極力原文のままです)

    「気象庁震度階級関連解説表」
    ※気象庁は、平成21年3月31日より改定した「気象庁震度階級関連解説表」の運用を開始しました。
    《使用にあたっての留意事項》
    ・気象庁が発表している震度は、原則として地表や低層建物の一階に設置した震度計による観測値です。この資料は、ある震度が観測された場合、その周辺で実際にどのような現象や被害が発生するかを示すもので、それぞれの震度に記述される現象から震度が決定されるものではありません。
    ・地震動は、地盤や地形に大きく影響されます。震度は震度計が置かれている地点での観測値であり、同じ市町村であっても場所によって震度が異なることがあります。また、中高層建物の上層階では一般に地表より揺れが強くなるなど、同じ建物の中でも、階や場所によって揺れの強さが異なります。
    ・震度が同じであっても、地震動の振幅(揺れの大きさ)、周期(揺れが繰り返す時の1回あたりの時間の長さ)及び継続時間などの違いや、対象となる建物や構造物の状態、地盤の状況により被害は異なります。
    ・この資料では、ある震度が観測された際に発生する被害の中で、比較的多く見られるものを記述しており、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。また、それぞれの震度階級で示されている全ての現象が発生するわけではありません。
    ・この資料は、主に近年発生した被害地震の事例から作成したものです。今後、5年程度で定期的に内容を点検し、新たな事例が得られたり、建物・構造物の耐震性の向上等によって実状と合わなくなった場合には変更します。
    ・この資料では、被害などの量を概数で表せない場合に、一応の目安として、次の副詞・形容詞を用いています。
 用語 意味
 まれに 極めて少ない。めったにない。
 わずか 数量・程度が非常に少ない。ほんの少し。
 大半 半分以上。ほとんどよりは少ない。
 ほとんど 全部ではないが、全部に近い。
 が(も)ある、
 が(も)いる
 当該震度階級に特徴的に現れ始めることを表し、量的には多くはないがその数量・程度の概数を表現できかねる場合に使用。
 多くなる 量的に表現できかねるが、下位の階級より多くなることを表す。
 さらに多くなる 上記の「多くなる」と同じ意味。下位の階級で上記の「多くなる」が使われている場合に使用。
      ※気象庁では、アンケート調査などにより得られた震度を公表することがありますが、これらは「震度○相当」と表現して、震度計の観測から得られる震度と区別しています。

●人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況
震度階級

人の体感・行動

屋内の状況

屋外の状況

 0 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。 - -
 1 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。 - -
 2 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。
 眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。
 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。 -
 3 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。
 歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。
 眠っている人の大半が、目を覚ます。
 棚にある食器類が音を立てることがある。 電線が少し揺れる。
 4 ほとんどの人が驚く。
 歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。
 眠っている人のほとんどが、目を覚ます。
 電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。
 座りの悪い置物が、倒れることがある。
 電線が大きく揺れる。
 自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。
 5弱 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。 電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。
 座りの悪い置物の大半が倒れる。
 固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
 まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。
 電柱が揺れるのがわかる。
 道路に被害が生じることがある。
 5強 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。 棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。
 テレビが台から落ちることがある。
 固定していない家具が倒れることがある。
 窓ガラスが割れて落ちることがある。
 補強されていないブロック塀が崩れることがある。
 据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。
 自動車の運転が困難となり、停止する車もある。
 6弱 立っていることが困難になる。 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。
 ドアが開かなくなることがある。
 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
 6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。
 揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。
 固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。
 補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
 7 固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。
 補強されているブロック塀も破損するものがある。

●木造建物(住宅)の状況
震度階級

木造建物(住宅)

耐震性が高い

耐震性が低い

 5弱 - 壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。
 5強 - 壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。
 6弱 壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。 壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。
 壁などに大きなひび割れ・亀裂が入ることがある。
 瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。
 倒れるものもある。
 6強 壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。 壁などに大きなひび割れ・亀裂が入るものが多くなる。
 傾くものや、倒れるものが多くなる。
 7 壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。
 まれに傾くことがある。
 傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。
      (注1)木造建物(住宅)の耐震性により2つに区分けした。耐震性は、建築年代の新しいものほど高い傾向があり、概ね昭和56年(1981年)以前は耐震性が低く、昭和57年(1982年)以降には耐震性が高い傾向がある。しかし、構法の違いや壁の配置などにより耐震性に幅があるため、必ずしも建築年代が古いというだけで耐震性の高低が決まるものではない。既存建築物の耐震性は、耐震診断により把握することができる。
      (注2)この表における木造の壁のひび割れ、亀裂、損壊は、土壁(割り竹下地)、モルタル仕上壁(ラス、金網下地を含む)を想定している。下地の弱い壁は、建物の変形が少ない状況でも、モルタル等が剥離し、落下しやすくなる。
      (注3)木造建物の被害は、地震の際の地震動の周期や継続時間によって異なる。平成20 年(2008年)岩手・宮城内陸地震のように、震度に比べ建物被害が少ない事例もある。

●鉄筋コンクリート造建物の状況
震度階級

鉄筋コンクリート造建物

耐震性が高い

耐震性が低い

 5強 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。
 6弱 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。
 6強 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。 壁、梁(はり)、柱などの部材に、斜めや X状のひび割れ・亀裂がみられることがある。
 1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものがある。
 7 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂がさらに多くなる。
 1階あるいは中間階が変形し、まれに傾くものがある。
 壁、梁(はり)、柱などの部材に、斜めや X状のひび割れ・亀裂が多くなる。
 1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものが多くなる。
      (注1) 鉄筋コンクリート造建物では、建築年代の新しいものほど耐震性が高い傾向があり、概ね昭和56年(1981年)以前は耐震性が低く、昭和57年(1982年)以降は耐震性が高い傾向がある。しかし、構造形式や平面的、立面的な耐震壁の配置により耐震性に幅があるため、必ずしも建築年代が古いというだけで耐震性の高低が決まるものではない。既存建築物の耐震性は、耐震診断により把握することができる。
      (注2) 鉄筋コンクリート造建物は、建物の主体構造に影響を受けていない場合でも、軽微なひび割れがみられることがある。

●地盤・斜面等の状況
震度階級

地盤の状況

斜面等の状況

 5弱 亀裂(※1)や液状化(※2)が生じることがある。 落石やがけ崩れが発生することがある。
 5強
 6弱 地割れが生じることがある。 がけ崩れや地すべりが発生することがある。
 6強 大きな地割れが生じることがある。 がけ崩れが多発し、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある(※3)。
 7
      (※1) 亀裂は、地割れと同じ現象であるが、ここでは規模の小さい地割れを亀裂として表記している。
      (※2) 地下水位が高い、ゆるい砂地盤では、液状化が発生することがある。液状化が進行すると、地面からの泥水の噴出や地盤沈下が起こり、堤防や岸壁が壊れる、下水管やマンホールが浮き上がる、建物の土台が傾いたり壊れたりするなどの被害が発生することがある。
      (※3) 大規模な地すべりや山体の崩壊等が発生した場合、地形等によっては天然ダムが形成されることがある。また、大量の崩壊土砂が土石流化することもある。

●ライフライン・インフラ等への影響
 ガス供給の停止 安全装置のあるガスメーター(マイコンメーター)では震度5弱程度以上の揺れで遮断装置が作動し、ガスの供給を停止する。
 さらに揺れが強い場合には、安全のため地域ブロック単位でガス供給が止まることがある(※)。
 断水、停電の発生 震度5弱程度以上の揺れがあった地域では、断水、停電が発生することがある(※)。
 鉄道の停止、
 高速道路の規制等
 震度4程度以上の揺れがあった場合には、鉄道、高速道路などで、安全確認のため、運転見合わせ、速度規制、通行規制が、各事業者の判断によって行われる。(安全確認のための基準は、事業者や地域によって異なる。)
 電話等通信の障害 地震災害の発生時、揺れの強い地域やその周辺の地域において、電話・インターネット等による安否確認、見舞い、問合せが増加し、電話等がつながりにくい状況(ふくそう)が起こることがある。そのための対策として、震度6弱程度以上の揺れがあった地震などの災害の発生時に、通信事業者により災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板などの提供が行われる。
 エレベーターの停止 地震管制装置付きのエレベーターは、震度5弱程度以上の揺れがあった場合、安全のため自動停止する。運転再開には、安全確認などのため、時間がかかることがある。
      (※)震度6強程度以上の揺れとなる地震があった場合には、広い地域で、ガス、水道、電気の供給が停止することがある。

●大規模構造物への影響
 長周期地震動(※)による超高層ビルの揺れ 超高層ビルは固有周期が長いため、固有周期が短い一般の鉄筋コンクリート造建物に比べて地震時に作用する力が相対的に小さくなる性質を持っている。しかし、長周期地震動に対しては、ゆっくりとした揺れが長く続き、揺れが大きい場合には、固定の弱いOA機器などが大きく移動し、人も固定しているものにつかまらないと、同じ場所にいられない状況となる可能性がある。
 石油タンクのスロッシング 長周期地震動により石油タンクのスロッシング(タンク内溶液の液面が大きく揺れる現象)が発生し、石油がタンクから溢れ出たり、火災などが発生したりすることがある。
 大規模空間を有する施設の天井等の破損、脱落 体育館、屋内プールなど大規模空間を有する施設では、建物の柱、壁など構造自体に大きな被害を生じない程度の地震動でも、天井等が大きく揺れたりして、破損、脱落することがある。
      (※)規模の大きな地震が発生した場合、長周期の地震波が発生し、震源から離れた遠方まで到達して、平野部では地盤の固有周期に応じて長周期の地震波が増幅され、継続時間も長くなることがある。


  【3】 地震波の伝わり方
    実際に地震が発生すると、震源から振動の波が地中内を伝わっていきます。
    最初に伝わる波は、その波形が“縦”であり、地震波の中で最も早くに伝わることから、ラテン語の Primae あるいは、英語の Primary (いずれも「最初の」という意味)の頭文字をとって「P波」と呼びます。
縦波は、毛虫が移動するような波形のため、「疎密波」とも呼ばれます。

    また、その「P波」の次に伝わる波は、その波形が“横”であり・・・ラテン語の Secundae あるいは、英語の Secondary (いずれも「2番目の」という意味)の頭文字をとって「S波」と呼びます。横波は、蛇が動くように捻じれながら伝わっていきます。

    地震の揺れは、地中内を伝わって・・・建物などの土地定着構造物へ達し、これらを“振動させる”ことになります。
    強い揺れによる被害をもたらすのは主に、後から伝わってくる「S波」です。このため、地震波の伝わる速度の差を利用して、先に伝わる「P波」を検知した段階で「S波」が伝わってくる前に危険が迫っていることを知らせることが可能となります。
・・・例えば・・・エレベーターに設置されている「地震時管制制御装置」は、この「P波」をすばやく検知して・・・その後の「S波」が到達する前に・・・できうる限り安全に最寄階へ停止させようとする装置です。

    建物などに伝わる“振動”は、実際にその基礎部分や地中杭を伝わり、建物本体に対し「地震力」として負荷されます。
    当然のことながら・・・上記の「気象庁震度階級関連解説表」や別ページ「建物に加わるそれぞれの“力”を理解する~建築学基礎講座」にもあるように・・・この“振動=揺れの力”に対して、大きな破損を生じないよう、それぞれの建物を設計・施工しなければなりません。

    この“振動”による建物の揺れは、現実の“地震波周期”に大きく関係しています。・・・建物には、ひとつひとつ(一棟一棟)に、それぞれの固有周期があるため、これと実際の地震波周期が似通っていた場合には、「共振」して揺れが大きく増幅されることがあります。
    ・・・「建物の揺れ」と「地震そのものの揺れ」が共振すると、その大きく増幅された揺れのために、建物の損傷や倒壊といった被害を引き起こします。
    また、実際にひとつの地震が発生すると、そのなかの波形には様々な周期のものがあって(揺れは一定でない)、それぞれの建物に対して作用します。
    ・・・1秒以下の短い周期を持つ揺れは、地震のエネルギー(マグニチュード)が大きくても、比較的早く減衰していきます。
    ・・・一方、長い周期を持つ揺れ(長周期地震動)は、減衰せずに遠方まで伝わる性質を持っています。


    ・・・鉄筋コンクリート造の低層建物の場合、その固有周期は0.3秒以下と短いものですので、直下が固い地盤であった際などは、「共振」しやすい傾向と云えます。・・・木造住宅の場合は、その固有周期が1秒前後となり・・・鉄筋コンクリート造10階建くらいの高層建物となると、その固有周期は3秒以上となります。

    この「建物の固有周期」に対する「地盤の周期」ですが・・・大都市がある平野部は、すり鉢状となっていることが多く、地震の揺れに対し約6~8秒の周期(「卓越周期」という)を持っていると云います。

    「長周期地震動」による揺れは、直下の地盤と共振する建物へと伝わり・・・そのなかでも、長い固有周期をもつ高層の建物などに対して作用することとなります。
    「免震施工」建物の場合、その固有周期は最大8秒程度と云われておりますので・・・今後発生すると予想される「南海地震」や「東南海地震」が実際に起きたとき・・・首都圏の超高層建物にも、この「長周期地震動」の影響があるだろうと考えられているのです。



※このページ内で特に記述がないイメージ図は、気象庁ホームページより出典