街並と天空   

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トータルプラン長山の仲介


不動産媒介(仲介)と買取システムの違いと価格設定のプロセスについて

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 私共のような宅地建物取引業者(以下本文中では「不動産業者」、「仲介業者」、「買取業者」、「業者」とします)以外で、所有不動産の売却を何度も経験する方は一般にそう多くはいらっしゃらないと思います。不動産取引は元来、他の分野と比べその取扱金額など諸々に与える影響が大きく、決して間違えたり失敗してはならないものです。

 ・・・ですが、選択肢やタイミングを取り違えてしまった為、結果『時間的ロスが響いた・・・。』、『・・・このまま売れないのか・・・。』といった状況に悩まされた経験を持つ方や今現在も悩まされている方がいらっしゃるのでは?と推察致します。
 そこで、所有不動産の売却を思い起った方々に知っておいて頂きたい事を以下にまとめました。ぜひ、こちらをお読み頂き実際の売却時には、担当業者に任せっきりにするのではなく適宜関与しつつ、結果的に無駄や失敗のない不動産取引の為にお役立て下さい。

 ・・・まずは、所有不動産売却の選択肢として・・・

   【媒介(仲介)と買取システム】

    大別すると、媒介(仲介)と買取の2種類があります。理解して頂けると、『なーんだ、そんなことか・・・。』と思われるかもしれませんが、ここでの選択が結果的に大きな影響を及ぼしかねない事柄ですので、分かりやすく下図にまとめました。[↓]

不動産売却方法について【媒介(仲介)と買取システム】・イメージ


    媒介(仲介)と買取システムの違いとは、簡略して云ってしまうと、売却先=相手方(買主方) の違いです。

    では、媒介(仲介)と買取のシステムにはそれぞれに特徴がありますので、整理します。

  ☆ 媒介(仲介)システムは、物件の購入希望者(契約が成立すると買主となります)を新たに探索しなければなりませんので、それ相応の「相当な期間」を要します。・・・ここで云う「相当な期間」とは、もし不動産市場的に云うジャストな内容・条件・価格など全てが満たされていれば、場合によっては売出して直ぐに決まることもありますので、「相当な期間」としか表現できません。
    ・・・したがって、物件的に何かが足りないという状況では、さらに期間を要する(時間をかける)か、内容・条件を変更する、あるいは価格を下げてゆくなど、いずれにせよ購入希望者が見つかるまで売却希望者による新たなアクションが必要となり、最悪の場合いつまで経っても買い手が現れない、売れないというケースもあるでしょう。
    さらには、ようやく購入希望者が現れた場合でも、価格や条件面での最終判断は、あくまでも売却希望者(契約が成立すると売主となります)にありますので、『この提示額と条件では・・・うーむ。』、『もう少しだけ上乗せしてもらわないと売りません。』などという・・・結論に至ってしまったあとでは、仲介業者が何をどうお話し申し上げても、もうどうにもなりません。・・・当然ながら人様の不動産を勝手に売却することはできない話ですから。・・・このような“売主の最終判断権”とともに、下記でふれる買取の場合と比べ「結果として手取り額が多くなる」可能性が高い事が、媒介(仲介)システムの二大メリットと云えます。・・・ちなみに・・・契約成立に至るまでに、結果として携わる業者は一社(者)とは限りません。(別ページをご覧下さい。ページ中③、④の辺りです。)

  ☆ 一方、買取システムの場合は、売却に要する期間が短く済みますので、他の不動産(物件)購入の際など、全体的な資金計画等を立て易い事が最大のメリットです。私共のような宅地建物取引業者(不動産業者)と、価格・条件面などで折り合いがつけば直ぐに売却して換金が可能となります。・・・しかしながら、ほとんどの買取業者がその物件を商品用として仕入れて、新たに販売するか、ある一定期間所有し続け賃貸経営していく事などを目的としており、買取業者側での新たなリフォーム工事等で付加価値をつけ販売していく場合などを除き、現実に最終的な物件購入者(エンドユーザー)との間で取引される物件価格と、媒介(仲介)してもらい一般の買主を探索して成立した場合の価格は、ほぼ同じとなる筈なのです。(・・・結局のところ、ほとんどの場合で・・・買い手あっての「不動産相場」価格 ⇒ 売買契約成立・取引となりますので)・・・さらには・・・当然の事なのですが・・・そもそもが、その買取業者との直接取引となる為、媒介(仲介)の場合通常発生する媒介報酬(仲介手数料)が不要となります。
    ちなみに、この買取システムによる契約成立・引渡し後、販売完了や目的の賃貸収入確保までの期間に、当該物件の近隣相場が著しく下落してしまう恐れがあるという可能性や所有期間に必要となる諸々の経費(税金、管理費、販売や入居募集の広告費・・・etc)などが、買取業者の一般的なリスク・負担となります。したがって、これらのリスクや負担と、販売による想定利益などを総合的に判断し、購入(仕入れ)時の際に最低限必要と想定される諸経費(登記料や測量代など)を差し引いた金額を売主様にご提示することとなります。・・・そして、この買取システムは、一方の買取業者側にとっては・・・一般売主の方が媒介(仲介)システムを選択する場合以上の、最終的な物件購入者(エンドユーザー)に対する重い責任(業者売主の買主に対する物件の瑕疵担保責任や倫理的な事柄など)を当然に負担しなければならない為・・・所有者様からの御相談時点における物件評価や査定額、必要と想定される経費、修繕費などについて、詳細かつ慎重に・・・とは云っても・・・所有者様(売却希望者)が取引を急がれる事情がある場合には、できるだけ迅速に・・・調査・総合判断をしなければならないという事情があります。(何かしらの不手際やミスによって、結果としてエンドユーザーに迷惑をお掛けしてしまい、かつその業者の責任が明確であった場合には、その業者の不動産事業継続そのものや、宅建免許そのものに関わってまいりますので・・・正直に申し上げて・・・媒介(仲介)システムで受任する時と比べ、気持ちはかなり違います)・・・したがって現実には、ある程度の利益や他のメリットが見込めないと、『・・・結局、採算性が確保できないな・・・』とか、『・・・時間的に間に合わないな・・・』ということにもなりかねません。
    ・・・また、以下でご説明する媒介(仲介)の際と同様に、各業者それぞれの利益率や販売・経営手法を持っている為、業者によって異なる購入金額・条件の提示となるでしょう。

晴れマーク売主にとってのメリット

曇りマーク売主にとって
メリットともデメリットとも云えないもの

傘マーク売主にとってのデメリット

媒介(仲介)システム

価格・条件など最終的に売主が判断する
買取の場合と比べ「結果として手取り額が多くなる」可能性が高い

原則的に売買契約成立時点で、媒介報酬(仲介手数料)の支払い義務が発生する
媒介報酬(仲介手数料)以外の経費(売買契約成立や取引完了までに関係する様々な諸経費)負担や揃える書類があり、その売買契約による物件状況にしなければならない事がある
価格・条件など再設定の都度、広告などしなければならない場合がある
売買契約締結の日時が決まってから最終取引日までに、売主側や買主側の事情により相当の期間を要する場合がある
いつまでも売却できないというリスクもある

 

買取システム

不動産業者と価格や条件面などで合意できれば、売却が事実上決定するので、のちの全体的な資金計画や人生設計などが立て易い
全体的に取引スピードが早く障害が少ない
積極的な広告をしなくて済むので、ある意味"隠密裏"に売却することができる
直接不動産業者との契約となるので、媒介報酬(仲介手数料)が発生しない
ほとんどの場合において、経費(売買契約成立や取引完了までに関係する様々な諸経費)の負担が無いか、ある場合でも少なくて済む場合が多い

価格・条件など最終的に売主と買取業者が決定する 媒介(仲介)の場合と比べ「結果として手取り額が少なくなる」可能性が高い


   【・・・ここまでのまとめとして・・・】
    じっくりと待つ期間などがあり、できる限り手取り額を多くしたいという方には媒介(仲介)システムを、多少手取り額が少なくなろうとも、期間などを優先にしたいという事情の方には、買取システムをお薦めしております。・・・どちらの場合でも、その場面ごとにおいて共通する事は、売却希望者の堅実なご判断だと思います。

   【媒介(仲介)の場合における価格・条件など決定までのプロセス】
    一般的な媒介(仲介)システムでの価格・条件設定のプロセスを図にしますと、以下のようになります。

媒介(仲介)の場合における価格・条件など決定までのプロセス・イメージ



    売却を希望される方は、当然『少しでも高く売りたい!』と考えます。・・・私共企業としてもそうですし、私個人としても、きっとそう思うでしょう。誰もがそうだと思います。(上図①の段階)
    ・・・しかしながら、取引相手方となり得る購入希望者は、それとは全く逆です。・・・不動産取引の現実においては、この希望売却価格と購入希望価格には必ずと云っていい程ズレというか、差が生じます。・・・この"差"というものを、創意工夫・鋭意努力しながら縮めていって・・・結果的に契約成立・失敗のない取引を達成させる事が私共・宅地建物取引に携わる仲介業者の本分であり、使命であるとも思います。・・・ある意味で、当初からの利益相反関係の中に入る訳ですから結構大変な事を業務としていますし、売主・買主様それぞれの今後に影響する不動産を取扱いますので、社会的にも重要な意味があると考えております(^o^)

    ・・・少し本題からズレてしまった感じもしますので、元に戻ります。

    上図② 仲介業者の査定価格とアドバイス
     依頼を受けた業者は売却希望の所有不動産の調査の結果・・・「あくまでも当社の予想ですが、現状でこの位・・・の価格なら売却できるのでは?」といった具合に査定価格を算出します。この際には、『・・・必要であろう』と予想される事柄ついてもアドバイス(助言)致します。
    ・・・この査定価格は複数の業者によっては多少異なる場合があります。(・・・地元で不動産取引を継続している業者ならば、基本的に著しく異なることは無いと思いますが・・・。)
    この"差"が生じる原因は?というと・・・あくまでも各業者単位での、これまでの経験に基づく予想であるからです。ある業者では、既にその物件にマッチングするであろう購入希望者をある程度具体的に把握していたり、少し以前に類似する条件の物件を取引していたなど、それなりの自信を持っているなど、それぞれ異なる理由があります。・・・ちなみに買取システムの場合も同様です。この場合でも各業者独自の利益率や販売・経営手法を持っているからです。
    ・・・そうなると、地域でいくつも営業店舗を構える業者にしたほうが有利では?と考える方も多いと思いますが、必ずしも然に非ず!・・・それは、簡単に云うと、売却不動産自体は変わらなくても、売却希望者の事情が変わってくるのと同様に、購入希望者側の事情や状況も刻々と変化し、目的とする不動産も変わってくるというような事などがあるからです。そして、購入希望者もご自分が何でも相談しやすい雰囲気や、すでに築かれた信頼関係等によって、前者に依頼しているとは限らないからです。(※別ページで、ふれているかもしれません。・・・経験的に云って・・・ホントに仲介業って努力した上での“御縁もの”・タイミング的要素などが強いものであると感じております。)

    上図③ 売出し価格と条件の設定
     直近の近隣不動産取引事例や仲介業者の査定価格とアドバイス(上図②の段階)などを踏まえて、実際に売出す価格や取引条件など詳細について設定します。・・・実際に売出す手法としては、各業者独自のネットワークによる営業活動や現地でのオープンハウス等、売却不動産の物件情報をレインズシステムへ登録をし同業者経由で広範囲かつ早期に買い手を探索する方法、チラシ・インターネットなどを活用し購入希望者にお届けし"一次的な検討案件"として頂くという事などがあります。

    稀に、はじめ設定した売出し価格とその条件(上図③の段階)のままで、売買契約が成立するケースもございます。・・・このように購入希望者を直ぐに見つけることができればベストな事と云えますが・・・そうでない場合には、業者より価格・条件面の見直しや物件のお手入れ・リフォームなどによる実質の物件価値を向上させていく事などについてご相談させて頂く場合もあります。・・・さらに、再度の広告・営業活動を重ねて・・・いわゆる不動産市場の"反響"を待ちます。・・・そして、現実的な購入希望者を発見できた段階で、売却希望者のご事情等と購入希望者の希望価格や条件とを調整(上図④の段階)し、売却(取引)価格と条件の決定(上図⑤の段階)へと進んでいきます。


    ・・・いかがでしょうか。ここまでは、不動産売却の入門編として、複雑な事柄をできるだけ省き分かりやすく致しました。現実には様々な事情により、このように一概に云える程、単純ではないのが不動産の世界です。人にも様々な人種・性別・世代・個性・感性などがあるように、不動産それぞれにも必ず特徴や個性・違いがございます。・・・それに・・・不動産物件は、売り手にとっても買い手にとっても、将来に亘る計画など実際上、目に見えるものだけでは総合判断ができないという事情なども必然的に関連してくるからです。

    (・・・ここで、ひとつの例として・・・)  築後30年を経過した木造住宅は、本当に価値が0(円)なのでしょうか?
     ・・・価値が0(円)・・・これは、あくまでも・・・一般的な不動産査定や税務・会計上のコンセンサスなどの"一種のルール"から導き出される経済的価値への換算面から出てくる事柄であって・・・現実には・・・この住宅が・・・お住まいになる方が適切にメンテナンスを施しながら大切に取り扱ってきたか、あるいはそうではなかったのか、という事などが30年経過した実際の姿として"如実"に表われてくるものです。ですから、この築後30年の住宅を見て『・・・きれいじゃないか。・・・まだまだ使えそうだ。』と感じて頂ける購入希望者にとっての"現実の価値"はゼロでは無いのです。それに、築後30年経ったとしても、実際に住み続けられる住宅家屋は・・・固定資産税評価上においては、もちろん新築時より原価償却が進みますが・・・完全にゼロということにはならずに、ある一定ラインで下げ止まりますので。・・・いずれにせよ、このような物件は、きっと類似価格帯の他の物件と比べ早めに売買契約 ⇒ スムーズな取引へと漕ぎ着けることができるでしょう。


  私共トータルプラン長山では、このような不動産それぞれが持つ特徴・個性・違いなどと共に、売却希望される売主様の“こだわり”や“ご事情”などをしっかりと受け止め、結果として納得できる取引をして頂けるよう最善を尽くします。尚、買取の場合も同様です。・・・一般の方々からすると、不動産売却の際には、慣れないことや知らないことなども多々出てくるでしょう。そのような折には何なりとご質問・ご相談して頂けたらと思います。